2017年5月14日(日)、ネパールでは共和制に移行してから初の全国統一地方選挙が行なわれます。州ごとに2回に分けて行なわれ、第一回目が5月14日、第二回目が6月14日です。744区に分割された区割りごとに、マハ・ナガルの市長&副市長、ウパ・ナガルの市長&副市長、ナガルの町長&副町長、ガウンの村会議長&副議長、ジッラの郡調整委員会委員長&副委員長というポストを選んでいきます。

この選挙の概要とそれに伴う注意事項について、日本大使館からメールがきましたので、まず転載しておきます。

在ネパール大使館の注意喚起(安全情報17-13)

5月9日

5月14日地方選挙に伴う車両使用禁止について

ネパール在留邦人の皆様及び旅行者の皆様へ

在ネパール日本国大使館

 今月及び来月、ネパールでは地方選挙が実施されます。今回の地方選挙は、2回に分けられており、まずは5月14日にカトマンズを含む丘陵及び山岳地帯の地域(第3州、第4州及び第6州)で、6月14日に、残りのタライ地方を中心とする地域(第1州、第2州、第5州及び第7州)で実施されます。

 この地方選挙に伴い、選挙での不正行為防止(他投票場所での二重投票等)のため、5月14日終日(6月14日も同様になると見込まれます)、選挙に関係する登録車両以外の走行が禁止されます。公共交通機関(バス、タクシー等)も運行しておりませんので、ご注意ください。(徒歩での移動は可能です。)

 また現在までのところ、5月14日当日及び選挙までの数日間は、バンダ(ゼネラルストライキ)等が行われる情報はありません。しかしながら、選挙に反対する一部勢力により、何かしらの抗議活動等が行われる可能性もありますので、新聞ニュースインターネットなどを活用して最新の情報を入手するように努めてください。

 5月14日当日は、選挙活動が過熱化して、予想外のトラブルに発展する可能性もあることから、投票者や立候補者にみだりに話しかけたり、投票場所や選挙関連施設に近づかないようにして下さい。

 なお、今回の地方選挙は、今般新たに再編成された各地方自治体の首長及びその副首長、更に各地方自治体を構成する区の首長及び各区の委員4名の計7種類のポストのための選挙です。また、今次選挙のため、約4万人が各政党から立候補しています。

じつはネパールでは、20年前の王政時代に行なわれて以来、約20年ぶりの地方選挙になります。2007年に暫定憲法ができ、2015年には新憲法が制定されました。それに伴い、ようやっと連邦国家として形ができようとしています。

以前の選挙で選ばれた首長や議員の任期は2002年までだったため、その後首長や地方議員は不在という状態だったわけです。いったいどうやって地方政治が運営されてきたのか不明ですが、見聞きしているところによると、何も運営されていないのが現状みたいですね。

一応村役場や市役所みたいな所の役人はそのまま残ってたので、それまで通りに運営されてきたといえばそうなんですが。何とかなってはいるものの、それゆえに賄賂や汚職がはびこる原因にもなってきたと思われます。最近はあまりにも露骨なのは少なくなってきましたけどね。

たださすがネパールというか、政府レベルでコネを作るような動きも見せています。初の地方選挙は民主主権国家として成熟するための重要なステップであるため、自費で選挙を開催すると明言していたのに、3月27日にプラチャンダ首相が訪中し習近平主席と会談、その直後、中国政府がネパールの5月地方選のために1億3千6百万ルピーの援助をすると発表しました。

これにインドが大反発。主権介入だとか騒いでいますが、やっぱりインドの影響力が弱まることが心配なんでしょう。いま中国人は年間150日の観光ビザが無料になっていたり、かなり恩恵を受けていますが、巨額の援助金があるゆえですね。

ネパールの政治システムについて書くと長くなりますし、結局ニュースサイトの受け売りなので割愛しますが、とにかくネパール新憲法の下での初の地方統一選挙ということで、各地で選挙活動が盛り上がっています。どんなふうに盛り上がっているのかと言いますと・・・

こういうふうに、政党の旗を掲げて爆走してみたり・・・

デモ行進してみたり、なんかお祭り騒ぎになっている地方が多いみたいです。

ジープを貸し切って、選挙活動をしている様子もよく見えます。でも何してるのかというと、旗を掲げて走ってるだけだったりするんですけどね。

投票日には登録車両以外が使用できないようになりますから、投票したい人は事前に投票所の近くに前日までに移動しておかなければなりません。そして当日は徒歩で投票に行きます。田舎に住民票的なものを置いている人は、実家に帰っておく必要もあります。

このおかげで、この週末のネパールは移動しにくい状態になっています。選挙活動のためにバスやジープが貸し切りになって不足しているうえ、田舎に移動する人が多いので予約が殺到しているようです。僕も明日から友だちの結婚式のためにカトマンズに行くんですが、無事に帰って来れることを祈るばかり。

ネパールはいま小政党が乱立している状態で、様々な政党が利権を求めて争っています。というと、真面目に国を想う政党がないような印象を与えてしまいますが、なんか僕の周りではそういう感じに見えるんですよね、選挙活動を観察していると。

先日なじみのお店でチヤを飲んでいたら、熱心に選挙活動しているおばちゃんが居て、投票用紙を見せてもらったんですが・・・どう思います?

写真を撮れ撮れと言ってきた、どこかの政党の熱心な成員であるおばちゃん。笑

こういう投票用紙を見て、どれかの政党を選んで投票するんですが、各政党のシンボルが一覧になっているんですね。これよく見てもらうと分かると思うんですが、太陽だったり木だったり、色んなマークがあります。

でもこれだけ見せられて、「この太陽のに投票してね!」とか周りに強引に言ってくるんですよ。政策も何もあったもんじゃない、完全にコネ頼りのやり方ですよねぇ。政党の名前すら書いてないですが、それは字が読めない人も多い国ゆえでしょうか。

しかもこの政党シンボル、色々なのがあっておもしろいです。ラリグラスとか水牛とか、握手してるマークとかはまだ分かりますよ。でも下のほう見ていくと、カエル、電卓、蜘蛛の巣、宇宙服、ヘルメット、スマホ、カセットテープとかまであるんです。完全にネタじゃん。笑

そして近所の人の話を聞いてると、政治家はだれがなっても同じだという意見や、いかに地元や身内に利益をもたらしてくれる人を選ぶかだという意見がほとんどでした。まあ世の中の選挙ってそんな考えの人が多いんでしょうねぇ。

新しい憲法のもと自治体首長が就任していくと、ネパールはどう変わっていくんでしょうか。ちなみに今回の統一地方選挙が終わったら、州議会選挙と連邦議会選挙も実施されます。ネパールがどんな方向に進んでいくのか、引き続き見守る必要がありますね。

とりあえず僕たち外国人は、選挙のせいで移動しにくくなってるのと、危険な事件が起きるかもということに注意しましょう。