ネパールの田舎のほうは色んな意味でユルイので、朝っぱらからお酒を飲んでるおじさんたちがたくさんいます。飲んだくれてる人もいますし、水代わりに飲んで普通に仕事に行ってる人もいますし、ネパールらしさを感じる光景です。

そんなネパールなので、田舎は特に、自家製のお酒を作っている人が大勢います。主には米や粟などから作ったお酒を飲んでいるわけですが、ネパールの法律的にはオッケーらしいですね。日本では販売目的ではないとしても、許可なしにお酒を造るのは酒税法により禁じられています(アルコール度数1%以下なら法律上お酒ではないのでイイらしいです)。

僕は友人たちと毎年春の時期に手作りパンとワインで晩餐会をするんですが、今年はネパールだし、手作りワインを作っちゃおうと思いつきました。田舎でもブドウはたくさん手に入りますし、すでに作ったことがある友人から、ワイン作りって簡単だよ!と聞いていましたので。

ぶどう酒ってどうやって作るか知ってますか?大まかな手順は・・・

  1. ブドウを買ってくる
  2. ぐちゃぐちゃに潰す!
  3. しばらく置いておけば出来上がり♪

という、とっても単純な仕事なんです。

というわけで、まずはぶどうを買ってきまして。

ネパールではこの時期、だいたい黒ぶどう(ネパールではこう言います)が1キロ250~300ルピーくらい、緑ぶどう(ネパールではこう言います)が1キロ200~250ルピーくらいで買えます。

そしてこれを何かの容器に入れて潰していくんですが、基本的には何でもOK!古代のワインづくりっぽく足で潰そうかなとも思いましたが、そうすると完成しても誰も飲んでくれなさそうな気がしましたので、根気強く手で潰すことにしました。

僕は今回、ふだんご飯を炊くのに使っている圧力鍋を使いました。ぶどうの糖分がアルコール分にだんだん変化していくんですが、その時ガスが発生するので、定期的にガス抜きする必要があるんです。なので圧力鍋だとそれがしやすいかなと思いまして。

赤ブドウの場合は、本当にぶどうをつぶして皮ごと放り込んでおくだけでワインになります。ぶどうの皮にそういう菌が着いているらしいですね。でも白ブドウにはないので、発酵させるための菌か、砂糖を混ぜる必要があります。今回僕は赤のほうには何も混ぜず、白には砂糖を混ぜて作ってみました。

ぶどう4キロに対して、ワイン3リットルくらいできました。潰したワインは、15度くらいで発酵スタートし、30度超えると酢になっていくらしいので、温度管理に気を付ける必要があります。でも幸い今の僕の部屋はその範囲内だったので、部屋の中にほったらかしておくだけで大丈夫でした。

ぶどうをつぶして2~3日経つと、発酵してどんどんガスが発生し、アルコール化していきます。ぶどうの皮などが上に押し上げられて表面を放っておくとカビが生えてしまうので、一日2~3回かき混ぜる必要もあります。

ちょっとかき混ぜると、こういうシュワシュワーっとした泡が出てきます。これが10日~2週間ほど続き、泡が出なくなったら発酵終了です。僕は圧力鍋にワインを入れておいたので、毎日帰ってきたら蓋の重りをくいっと開けて、ぷしゅーっ!と出てくるワインの香りを楽しんでいました。

最初はペットボトルに入れて、ちょっとだけ試しに作ってみたいんですけどね。でもワインは光に当てないほうがいいらしいので、できるだけ透明じゃない容器が良いと思います。そしてペットボトルに入れておくなら、蓋を緩めておかないとガスで破裂する可能性があるので注意してください。

発酵スタートしたワインは、3日くらいで「ちょっとアルコールが入っているブドウジュース」みたいになり、だんだん糖分がアルコールになっていきます。完全に発酵終了したタイミングで飲むとしっかりワインなんですが、1週間弱くらいで飲むと甘味も残ってアルコール分もしっかりあって、僕はそのくらいのタイミングのが好きでした。美味しい濁りワインって感じです。

2週間ほどで発酵が終了したワインは、まずガーゼでこして実や皮などを取り除きます。そのまま置いておくと滓が沈殿していくので、そのまま2~3週間おいて上澄みをすくっていくと、きれいなワインの出来上がりです。僕は手っ取り早くコーヒーフィルターも使ってみました。

コーヒーフィルター使うと、かなり時間かかりましたけどね。でもおかげで透き通ったきれいなワインを作ることができました!正真正銘、ぶどうだけで作った100%純粋な赤ワインです。

手作りワインは、何も混ぜてないのでアルコール度は低めです。味を追求するなら砂糖を足してさらに発酵させるといいみたいですが、古代の人たちと同じように造ったワインだと思うと、なんか感慨深いんですよね。昔の人もこんなワインを飲んでたのかなーと。

今年の晩餐会は手作りワインに手作りのパンに加え、そして近所で集めてきたラリグラスなどの花を部屋に飾りました。すべて自家製&地元産のもので楽しむことができて、なんかネパールっぽくて嬉しかったです。

ちなみにこんなふうにお酒を作っちゃってもいいなんて、さすがネパールはゆるいなーと思っていたら、どうやら日本が特別厳しいだけみたいですね。イギリス人の友人が「自分ちでお酒作っちゃいけないのって、日本くらいじゃない?アメリカもヨーロッパも大体OKなのに~」と言っていました。

日本でやると法律違反になっちゃうワインづくりも、ネパールならたくさん作っちゃえます。どのタイミングで飲むか、寝かせて飲むか、つまみは何にするかなんて、悩みながら楽しむことができます。今回のワイン作りを通して、やっぱりネパールっていいな~と思ったのでした。