ネパール人は親切なので、日本人含む外国人をよく気遣ってくれます。そして教えたがりでもあるので、病気や健康に関する知識をたくさん教えてもくれます。病気になった時にどうすればいいのか、ネパール特有の医学知識というか対処法があるようです。

ただこう言っちゃ悪いんですが、ネパール人の医学知識のほとんどは経験と予想に基づくもの。もちろんネパールにも資格を持った医師がいますので、彼らの言うことは信用していいと思うんですが、一般のネパール人の言うことは一応確かめるほうがいい気がします。まあ日本でも同じですよね、医者じゃないけどやたらと根拠のない治療法や健康法を勧める人って、どこでもいるものです。

経験に基づく情報は、ネパールで生活するネパール人の生活の知恵でもあります。なので一概に間違っているというわけでもなく、一理ある!とか、じつは合ってた!ということも、もちろんあります。なので確認が必要なわけですね。僕の経験では、大体おかしいんですけど(笑)。

たとえば僕が最近聞いたおもしろい話。マサラを使ったネパール料理を大量に食べると、眠くなるから気を付けてね!と言われたんです。その友達によると、何でもマサラには眠気を誘発するような成分が含まれているとのこと。

へぇ~と言いつつ、そして心の中で疑いつつ(笑)、理由を聞いてみました。するとその友達、「だってネパール人はご飯を食べた後、すぐ寝てる。だからあんまり働かない人が多い。でも日本人はそんなことないでしょ、ご飯の後もちゃんと仕事をしている」

んん?って思いませんか? その理由って・・・単にネパール人と日本人の気質の違いというか、性格的なものなんじゃ? それに、ネパリカナを食べたら眠くなるんじゃなくて、ドカ食いするから食べ過ぎて眠くなってるだけなんじゃ?と。

僕はその友達の話を「へぇ~そうなんだ~」と言って聞きながら、心の中では「なんだその理由。ぷぷ!(笑)」と、ちょっと見下してしまっていました。でも一応、ネパール料理を食べたら本当に眠くなるのか、確認しておいたほうがいいとも思いましたので、調べてみたんです。

すると何ともびっくりな事実が!皆さん知ってました?マサラをたくさん使ったネパール料理を食べると、本当に眠くなるらしいんです。その理由は、マサラに含まれているある成分が、軽い催眠作用をもたらすから。

その成分とは、ナツメグです。日本でもよく使われるポピュラーなスパイスですよね。じつはこのナツメグには、ある種の覚醒成分が含まれているそうなんです。つまり大量摂取すると、麻薬や覚せい剤を使用した時と同じ症状が表われるというわけです。

ナツメグは5g以上の摂取で症状が表われ始めるそうですが、これは普段の一度の食事で摂れる量ではありません。なのでほとんど心配する必要はないんですが、もしバカみたいにナツメグを投入したカレーなどを食べると、ちょっとアレな状態の手前くらいには行っちゃうのかもしれません。

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これは僕が買ったマサラたち。ガラム・マサラというのはヒンディー語で「辛い混合物」という意味。一般的にはスパイスブレンドを指して使われる言葉です。こういう配合された状態で売っているマサラにも、ナツメグも含まれているようです。

もちろんながら、幾らダルバートを食べ過ぎても本当にトリップしてしまう可能性はほとんどありません。食べ過ぎて眠くなるとしたら、それはやっぱり食べ過ぎただけのことです(笑)。でももし、このナツメグの効果を知らないまま大量に料理に使ってしまうと危ないなーと思いました。

実際、ナツメグを大量に使った料理の日は、いつもより眠くなると感じる人もいるようです。たとえばナツメグを肉に擦り込んで下ごしらえし、カレーにも大量に投入して、みたいな作り方をすると、ちょっとナツメグ効果が表れるかも。麻薬と同じ効果ではないにしても、そのかなり手前の症状として眠気が発生するようです。

あるネパール人たちは「ネパリカナは食べ過ぎると眠くなるもの」と思っているものの、マサラのどの成分に催眠作用があるのかまでは分かってないので、たまにナツメグを大量に投入した料理を作っちゃうそうです。そして軽くトリップするんだとか。トリップと言っても、ごくごく軽いものだとは思いますが。

ですから一応、あえてナツメグを大量投入することはしないよう注意しましょう。スパイスになったものではなくナツメグの実そのものを5g以上食べると、吐き気や動悸が表われ、人によっては幻覚が見えることもあるそうです。そう考えると危険でデンジャラス。ナツメグに限らず、食べ過ぎたら良くない食べ物っていっぱいありますけどね。

そういうわけでネパール人の医学知識も、合ってることもあるので侮れないといえば侮れない!という話でした。日本人のほうが何でも知ってると思いこんじゃダメですね。そしてナツメグはネパール語で「ジャイファル」と言います。念のためご用心を~。