ネパール語には、日本語では表記できない音が幾つかあります。母音があるकाと母音がないक、無気音のकと有気音の ख、これらはすべてカタカナで表記すると「カ」になります。でも本当は違う音ですから、これらの違いを聞きわけ、発音も使い分けないといけません。

実際にネパール人と会話してみると、カタカナで書いたものを読むようなネパール語でも通じることはよくあります。でも何とか通じたとしても、たまたま相手が頭良かっただけのこと。もしくはカトマンズに住む人たちはある程度外国人慣れしているので察してくれる、というだけのことです。

たとえば日本に住んでいる外国人が「おはよごぜまーす!」とか「おちゅかれさまでーす!」と言って挨拶してくるようなもんですかね。意味は分かるし、最初はそれでもいいかなと思いますが、長く日本に住んでいる人がいつまでもそのままだと、ちょっと尊敬するのが難しくなりませんか?

通じればそれでいい!と思う人はいいと思うんですが、ネパール人ともっと仲良くなりたい、ネパールにもっともっと溶け込んでいきたい!と思うのなら、発音の矯正にも力を入れていきたいものです。(もちろん僕と違って、最初から発音がきれいな外国人もいっぱいいますけどね)

 

●鼻音の時は単純に「ん」と発音しないよう注意する

そういうわけで発音のコツについてですが、今回取り上げたいのは「鼻音」です。鼻音は日本語にもないわけではありません。一般的には「はひふへほ」「まみむめも」「ん」が、日本語における鼻音と言われています。文字通り、鼻をつまんで出すみたいな音ですね。

でもネパール語の鼻音は、日本語よりももっと鼻音にしたほうが分かりやすいので、ビンドゥやチャンドラビンドゥがついている文字は、はっきり鼻をつまんで出すような音にしましょう。

さらに、鼻音とは単に「ん」をつけることではない、ということも覚えておきましょう。たとえば「あなたの名前はなんですか?」は、カタカナ版ネパール語で書くと「タパインコ ナーム ケホ?」となっていることが多いと思います。でもこれをそのままカタカナとして読むと、全然通じないこともあるのです。

「あなたの」をネパール語表記をすると「तपाईंको」となります。この時の「イン」の部分が鼻音ですから、はっきりした「イン」と発音してはいけません。鼻をつまんでだんだん音が弱くなっていく感じで、「イー・・・」と言うと、最後がかすか~に「ン」の音になると思います。ごくごくわずかに聞こえるかもしれない程度の「ン」ですから、はっきり発音してはいけないのです。

もうひとつ例を挙げますと「ダメ!」という言葉をカタカナ版ネパール語にすると「フンダイナ」と書くと思いますが、これも「ン」の部分をはっきり発音してはダメです。ネパール語としては違う字になってしまいます。「フ」を鼻音にして「フーダイナ」という感じですね。ネパール語では「हुँढैन」と書きます。

タパイン(あなた)の「イン」、フンダイナ(だめ)の「フン」、カハン(どこ)の「ハン」、ディウンソ(昼)の「ウン」、カランキ(地名)の「ラン」などなど、カタカナ版ネパール語では「ン」の音で表記されますが、「ン」の音と鼻音は違いますので注意しましょう。

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旅の指さし会話帳では、すべて単語はカタカナとデバナガリで表記されています。せっかく書いてあるのですから、カタカナ部分だけでなくデバナガリでどうなっているのか確認しながら覚えていきたいものです。

ちなみに日本人でも、北関東や東北出身の人は鼻音の使い方が上手だとか。方便の中に独特の鼻音ぽいイントネーションが混ざっているからでしょうかね。僕は四国出身だからか(まあ言い訳ですけど)、鼻音がちゃんと出てなくてネパール語の先生によく注意されます。慣れるまでは鼻をつまんで発声するのもひとつの方法です。